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謙信公から乱世を生き抜く「知恵」と「勇気」「哲学」そして「人として生きるべく道」を学び、
人としてメルクマール(めざすべき指標)な心「義の心」を模索するためのWEBサイトです。

謙信公義の心の会 会長所信

平成27年3月 石田 明義

~プロローグ~

あらためて問う 不義の時代に、謙信公「義の心」

謙信公義の心の会 春日山城から望む上越市街

 平成27年が幕を開けた。年明けから、国内外を問わずきわめて凄惨で痛ましい事件・紛争が各地で多発した。国際社会では新たな紛争の火種・テロリズムが我々の文化的社会の脅威となり、国内ではネット・SNSを介して未成年者の非人道的犯罪が衝撃を与えた。人の命が軽んじられ、およそ人の道に反した所業や考え方が横行、日本の安全神話が崩壊し荒廃の一途を辿(たど)っている。
 まさしく、自己の私利私欲を中心とした考え方に基づく行動規範が主流となり、「義」よりも「利」を優先する「不義」の時代の様相をいっそう強く呈してきている。これは格差や貧困といった問題だけではなく、現代人の心の問題である。かつて、穏やかで優しかった日本人の拠(よ)って立つ『心の拠(よ)りどころ』が喪失したかのようでもある。
 しかし、450年前の日本でも同じように人心が荒廃し、世紀末的な様相を呈した時代があった…戦国時代である。国内は各県ごとに独立し、武将が守護(しゅご)にとって代わり群雄(ぐんゆう)割拠(かっきょ)していた時代。各武将が領土拡張欲に奔走し、侵略・略奪が日常茶飯事のようにくり返され、弱きものは強きものに飲み込まれていった。そんな中、全国で唯一「義」を旗印に掲げて戦った武将がいた。越後の龍・上杉謙信公である。卑怯を嫌い、弱き者の声に耳を傾け、決して領土拡張をしなかった。戦国武将でありながら、その行動規範は仏道の僧侶そのものであり、下剋上の中での一筋の光明でもあった。
 謙信公の存在は戦国時代においては極めて稀なことであり、力(武力)さえあれば全てを掌握できた時代において、あえてそれ(侵攻)をやらなかったことは当時の常識から大きくかけ離れたものであった。目先の「利」に惑わされることなく、実践において「義」を貫くことが出来た武将は古今東西、世界史史上のなかでもおそらく謙信公だけであろう。逆にもし、戦国時代に謙信公が存在しなかったとしたら?と考えてみるとどうであろう。おそらく、日本人の「惻隠(そくいん)の情(じょう)」という情趣や「フェアプレイの精神」という日本人固有の精神構造は生まれなかったかもしれない。それほど、謙信公が日本人の精神構造に与えた影響は大きい。

謙信公義の心の会 春日山城 謙信公像

 私たちは日常生活において、かつて無いほど文明の恩恵に浴している。インフラや通信環境等が飛躍的に進歩し、経済・産業の著しい発展をみてきた。もちろん経済や産業を振興させることは、雇用を促進し富を分配することで資本主義社会においては不可欠なことではある。適度な自由競争のもと、切磋琢磨し高めあい、より良い商品開発やサービスが向上することは望ましいことであるが、過度で急速な発展は基本的な人間の精神構造を歪(ゆが)める原因となっているのも事実である。翻(ひるがえ)ってみると物質の飽食時代の中で、本当に大切なものを失いかけているのかもしれない。
 近年深刻化する環境問題も物心両面の問題を包含しているともいえる。戦後の高度経済成長に始まり、バブルを経験し、その後の経済の低迷から現在に至る中で、真の意味での日本人の心の拠りどころを探し求めていたのかもしれない。我々は、豊かな経済発展さえすれば心も満たされ幸福になると幻想を抱いていたといえるだろう。実は、物質的欲求と精神的満足のバランスの均衡をつかさどる「+α」が大切なのであり、決して物質だけでは幸福にはなれないことに多くの人々が気付きはじめた。
 今よりも人心が荒廃し、物も豊かではなかった戦国時代に、いかにして謙信公は志を高く掲げることができたのか-
もっとも過酷で厳しい時代になぜ「義」を信じ続けることができたのか-

我々は、この謙信公「義の心」の会を通して、『心の受難時代』ともいえる混迷を極める現代社会において、謙信公から乱世を生き抜く「知恵」と「勇気」「哲学」そして「人として生きるべく道」を学びたいと思う。この試みが始動することで、上越の地のみならず、全国・全世界に向けて、人としてメルクマール(めざすべき指標)な心「義の心」を模索することができればと願って止まない。

謙信公義の心の会 上杉謙信の家紋

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※謙信公「義の心」の会は、上杉謙信公を信奉・尊敬・愛するすべての方々に向けて発信するものであり、謙信公の義の心・生き方・哲学・当会の趣旨に共鳴、賛同する方のみが会員資格を有します。

※謙信公「義の心」の会の主な活動は、講演会・坐禅・シンポジウム・交流会・史跡巡り等を予定しています。
 
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